こんにちは。高橋貴子です。
本日は
「仕事と趣味の境界線は?」
についてお話をしたいと思います。
このテーマについては私のブログでも何度か書いていますしセミナーでもお伝えをしています。
ちょうど昨日もセミナーがありましたが、
数字や経営の内容を多くお伝えするセミナーでした。
そちらでもお話をしたのですが、
基本的には収益が出ているか、
そしてそれによって継続する事業体をつくっていけているかということが、
仕事か趣味かということのひとつの判断基準になります。
お金のブロックパズルというものがあります。
売上高があって、
固定費があって、
変動費があって、
人件費があって、
その他の経費があって、最後に利益が残る。
そういう図式からお話をしていっているのですが、
お料理やパンやお菓子の教室業のモデルとして、
手元に残したい金額がたとえば20万円だったとします。
いろいろなものを除いていって手元に残るのを20万円にするならば、
売上は40〜50万円ほしいというのが私の肌感覚で持っているところです。
実際に自分のデータもそうだったし、
生徒さんの領収書を合計してもらって聞いたものもそうでした。
売上から経費を引いた残りを見るというやり方だとそうなります。
でも実際にはちょっと違って、
手元にいくらほしいというのがあって、
固定費がその上に乗っかって、
変動費が乗っかって、
粗利がどうだから、
結果的に売上としてはいくらほしいと計画をするのが本来の姿で、
逆算をしていってもだいたい半分くらいという感じです。
ちなみに、これは良いほうです。
昨日のセミナーでもお話に出ていたのですが、
生徒さんが来て喜んでくれると分かっていると、
家にあるなにかもう一品、もう一品を出してもてなしてしまう。
そのこと自体はかまわないのですが、
追加で出している一品も本来ならとうぜん原価に入ってくるから出ていくお金として見るべきものです。
そういうことをやっていると残るお金が少なくなります。
変動費なんかが60〜80%になってしまう場合もあって、
ひどい場合だと変動費、つまり材料費が100%ということもありました。
原価と売上が同じということは確実にマイナスになります。
そういう状況でもやっているということは、どう見ても趣味です。
だから、
仕事と趣味の境界線の大きなポイントの1つは収益化しているかどうかです。
次の2つめはもう少し違う観点からのお話です。
すべての人にそれが当てはまるとは言いませんし、
教室業であればそれが出来ない人が多いのかもしれませんが、
収益化するという意味でのもうひとつの考え方です。
自分が教えたいものがあって習いたい人がいる。
これがたまたま一致して、
それがうまくまとまって集客できるのであればいちばん良いです。
だけれども、自分のやりたいことが、
時代のニーズやお客さんのニーズに会っていなくて少しズレているときに、
自分の教室の軸がブレない範囲でお客さんのニーズにあるものを扱うのもアリだとしたら、
そこでどういう選択をするのかということです。
私自身は、自分の楽しみのためというよりも、
その先のコンサルタントを目指した状態で100%せいいっぱいパン教室の先生になりきるということでパン教室を運営していました。
とうぜん、収益化はいちばん頑張ってやらなくてはいけない部分だったので、
世の中のニーズがあってそれにヒットしそうで自分が出来ることがあって、
そういうときにビジネスとして成り立つものを採択できる考えを持てるかどうかです。
これも、仕事と趣味の境界線のポイントです。
私はそれを採れます。
なぜなら、そのほうがどう考えても集客がラクだし、
まだ世の中にないもので人気が出るとわかっていれば料金も高く設定できるからです。
アーリー・アダプターといいますが、
早い段階でそれをやっている人になるので、
それを欲しいという人にとってはすごく欲しいものになる可能性が高いんです。
そうすると私は間違いなくそちらを選択します。
それは仕事としてとらえているからです。
先日、あるクライアントさんとお話をしていました。
そのクライアントさんには、
自分がどうしても作りたい教室の姿があります。
けれども、そこに固執をしすぎていて、
何度も私は「そのアイデアだと、一般的にみんなが求めるものとしては集客がかなり難しい」と伝えました。
集客は出来ないというわけではないですが、
突き抜けて第一人者になるのでないかぎりは難しいということを言っていました。
それでも、「でも私はそれが好きなんです」ということで諦めずに引かない人でした。
ご本人がそこまでおっしゃるので、
ふつうの人の二倍三倍とかかっても集客すると決めるのであればアリかと考えました。
でも、それでは行動を他の人の何倍もやっているかというとそうではないし、
むしろ私のクライアントさんの中で比較をすると、行動量は他の人の半分以下です。
本人としては頑張っているということでいいのですが、
世の中での相対評価になりますからね。
たとえば私がYou Tubeの動画を10本撮るときにその人が1本しか撮っていなければ、
露出量は10倍という差になるわけです。
その比較においてどこまで頑張れるのかを見ていたのですが、
結局そこの領域では上手にいけなくて、
いよいよ経済が逼迫してきてお尻に火がついた状態になって、
それでも好きなことだけをやるのかどうかという話をしました。
そして、まずは集客しやすいアイテムでお金を先に作りましょう、
それで余裕ができたら本当にやりたいことをやったらいいでしょう、
という方向で話がまとまって、
あらためてニーズのある方向でやってもらうことになりました。
だから、
頑固一筋はかまわないのですが、
その頑固一筋を貫くのであれば、
みんなが舌を巻いてひれ伏すほどの相応の努力をしなくてはいけません。
それならやりきればいいです。
けれども、そうではない中途半端な努力なのであれば、
多少は自分の思いとは違っても、
うまくいく方を採択してお金を作るというのが仕事として選ぶべき順序です。
ゼロになったり、マイナスになったりしたら、
そもそも教室運営そのものが続けられないですからね。
旦那さんにストップをかけられる人もいます。
そういえば、こういう人もいらっしゃいました。
いちどやってみて、そのときにはあまりうまくいかなくて、
やはり教室は止めようということで3年くらいやっていなくて、
復活をしたときに旦那さんから
「今度はちゃんとできるのか?」と言われ、
そして、うまくやれる試算を出さないとOKを出さないと言われたそうです。
だから、覚悟をしっかり決めて仕事でやるとなると、
ぜんぶがぜんぶ自分の夢を追いかければいいというわけにはいかないわけです。
なぜならば、仕事だからです。
私は仕事を楽しむことにしているし、好きな仕事しかやらないと決めいています。
やらないというためには、それを断るだけのものを持っていなくてはいけません。
もし私が逼迫していて明日の食べるものにも困っている状態であれば、
そんな綺麗事は言っていられません。
その領域になるかならないかというところで、お尻に火がつくかつかないかというのはありますね。
仕事と趣味の境界線ということでは収益が出ているということはもちろんですが、
必ずしも自分の好きなことだけを追いかけないという選択を必要なときにできるのかということもポイントになります。
仕事としての覚悟を決める場合のひとつの参考にしてみてください。
コメント