こんにちは。高橋貴子です。
本日は
「良い商品なだけでは売れない理由とは」
についてお話をしたいと思います。
良い商品であれば売れるのは当然だろうという話もありますが、
ここでいう「良い」という言葉のニュアンスを先にお伝えしておきます。
それは主にスペックを重視されるようなもので、
マーケティング用語でいうとプロダクトアウト型の商品です。
何があって何ができるということが中心となった製品やサービスの開発のことですね。
製品のほうからアプローチする形での「良い商品」になります。
この場合はスペック勝負になっていきます。
私が見てきた経験からいえば、これに当てはまるのが携帯電話でした。
途中でAppleに切り替えていますが、Androidを使っていました。
そして、機種変更をするたびに、どんどんマニュアルが厚くなっていくんです。
私は女性にしては珍しく、マニュアルをすべて読んでから使うタイプで、
他の人が気づいていない機能まで知っているほどでした。
調理器具などにしても、マニュアルをちゃんと読んでから使います。
一通り読んでから使おうとします。
最初に製品を箱から取り出したときにまずマニュアルを読むので、
会社員だったあるときの機種変更でマニュアルが2冊になっていたときに驚いて、
会社の行き帰りで2日かかって読みました。
そのときに思ったことが「この機能は要るのか?」というようなことでした。
つまりスペック競争になっていた時期があったわけですが、
そのときに衝撃を受けたことがあります。
らくらくホンと呼ばれるようなもので、
電話をかける、メールを送受信する、
それくらいの機能だけを持たせた製品です。
その製品のターゲットは60歳、70歳、高齢の人たちで、
目が見えにくいから字が大きいほうがいい、
ボタンも大きいほうがいい、
インターネットも一生懸命にやるわけではないから機能は電話とメール。
すごくシンプルに機能を削ぎ落として作った携帯電話でした。
スペック重視の中でそれがポンと市場に出されたときに
「これが本当の製品の作り方だよね」と感動したのを覚えています。
つまり、お客様が求めているのはすべてのスペックを満たしていることではなくて、
自分に必要なスペックだけあればそれでいいということです。
必要なスペックだけで考えて、その人のために商品を開発するということで、
これはプロダクトアウト型ではなくて、価値創造型の商品づくりになり、これは売れますよね。
他のいろいろな不要となる機能がなくて、
必要最小限の機能だけを適正価格で提示するわけですから売れていきます。
やっぱりその考え方が必要であって、
これを教室運営に置き換えると、
メニューがたくさんあることが必ずしもお客様のためになるらないということです。
どこかの教室では、メニューを100種類くらいから選べるようにしてあって、
お客様からのクレームのようなものがあったそうです。
クレームというほどではないのですが、メニューが多すぎて選べないというものです。
いわく「良いと先生が思うもので絞ってあれば選びやすい」ということです。
生徒さんのために良かれと思ってメニューを開放したのに、
そんなことを言われるとは思わなかったという話でした。
現代には情報が多すぎて選ぶことのストレスがあります。
ウェブサイトの診断を私はけっこうやりますが、
ひとつひとつのメニューが分かりやすく説明してあればまだしも、
メニューの選択肢が多いと多くの教室の先生のサイトは読みにくくなっています。
ひと目だけ見ただけではよく分からないので、
結局はコースの内容をぜんぶ読まなくてはいけなくなります。
それで理解はするものの、
自分に向いているのかどうかが分からなくて、
考えるのが面倒くさいから思考が停止してしまいます。
これが100種類とかになったらもう判別不能で、
「あなたはこう」と言ってもらったほうが嬉しいわけです。
つまり、数や量を多くすることだけがお客様へのサービスではないということです。
プロダクトアウト型=商品中心の製品づくりではなく、
顧客が求めているニーズや欲求を具現化するような「価値創造型」からの商品設計やサービス設計を入れていきましょう。
少し難しめの話なのですが、
自分の教室のサービスはプロダクトアウト型の商品志向になっていないかということをチェックしてみるのも良いかもしれません。
ご自身で、ぜひ、判断をしてみてください。
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