こんにちは。高橋貴子です。
本日は
「お客様の絞り込みはT・P・Oで絞り込む」
についてお話をしたいと思います。
TPOの……、
TはTimeで「いつ」、
PはPlaceで「どこ」、
OはOccasionで「どんな機会」です。
そういうふうに絞り込んでいくと
商品やサービスが特別なものとして他と比べにくいものに仕上がっていきます。
そういう例のお話をします。
私のパン教室が遠くの人からも支持された事情や理由はいろいろな意味で分析をしています。
私自身が顧客層を想定して、その人に響くようにコピーライティングをしています。
でも、そもそもの企画の段階で、どういう人を顧客層とするのかというところで、
従来のパン教室の当たり前としてあった領域から少しズラしたところのメインターゲットにしたということが大きかったのだと思います。
これがなぜ出来たのかというと、
私が「パンの人」ではなくて「ビジネスから来た人」だったからです。
だからちょっとかわった考え方が出来たのではないかと思っています。
たとえば「パンだけ」でパン教室を考えていくと、
イーストなのか天然酵母なのか、どういう手法でパンが作れるのかというように、
技術にすごく寄った形でのパン教室の構成になってしまいます。
もちろん私も天然酵母の技術を教えていましたが、
そこにライフスタイルとしてTPOを入れ込んでコンセプトを作りました。
具体的に言うと、
大きなコンセプトとして「プレゼントしたくなるお洒落な天然酵母パン」というものを作りました。
そういうものを作りたい人を集めようとしたわけです。
たとえばTPOの「T=Time」として「どういうとき」なのかというと、
パンというものは通常なら家族や自分、そして健康のために作るというのがメインですが、
私の場合は「ギフト」として作ると良いのではないかと考えたんです。
人にプレゼントするというパンの使い方です。
もちろん自分が食べてしまってもいいのですが、
そういうコンセプトだから、成形が綺麗でかわいいほうが良いと考えたわけです。
日常でつかってもいいけれども、どちらかというと非日常で使ってほしいというパンです。
ということは、「P=Place」の場所としては、パーティシーンなどのような華やかなものです。
それからご友人へのプレゼントや、
食べ物が大丈夫な場合であればお見舞いに使われた方も生徒さんの中にいらっしゃいます。
何かのお礼に使われた方もいらっしゃいました。
私の中でのイメージはパーティシーンですね。
そういうことを重要視してパンを使ってもらう場面を考えました。
そして「O=Occasion」がいちばんかわっているコンセプトだと思います。
人に喜ばれること、プレゼントをするためにパンを作ろうということを私はベースとして考えました。
だからパン作りで健康的なものを求める人も来ますが、
人に喜ばれるものを作りたくて、それがしかも食べ物の中のパンというものがいい、
そういう人たちが来てくれる内容です。
だからライフスタイルでいえばプレゼントをしたいタイプの人です。
「あげたい」「喜んでもらいたい」「相手の笑顔がうれしい」「『ありがとう』と言ってもらえる自分が嬉しい」これが教室でパンを習う理由になります。
技術を上げることを目的としているのではなく、
プレゼントしたパンで人から「ありがとう」を言われて嬉しいと思う感情の部分に寄ってパン教室を作ったというのがちょっとコンセプトとしてかわっていました。
自分自身が楽しんでそれが自分へのご褒美となるのもOKですが、
だいたいみなさん、誰かにプレゼントしていらっしゃいました。
そういうお話を聞くと、本人が嬉しくて、プレゼントした相手も嬉しくて、2倍の喜びの報告を聞くことになります。
そういう意味ではすごく嬉しい連鎖でした。
この領域でいくと他のパン教室があまり競合他社にならないです。
競合他社という言い方もあまり好きではないのですが、
違う形の教室があると考えるとそういう形になります。
競合になってくるものは「プレゼント」という領域になるので、
習い事の中ではラッピングの教室などで、お花や果物といったような「ギフト」に出す費用と教室の費用が比較対象になってきたりもします。
だから、たしかに私の教室は料金が高いほうだったかもしれませんが、
その価値をプラスアルファとして加えることで、習えて、食べれて、誰かにプレゼントもできる、ということです。
プレゼントするものを普通に買ってしまうよりも、
体験を渡せるという付加価値が大きかったのではないかと思います。
そもそも高いと思っている人は来なかったと思いますが、
普通にやっているパン教室より料金が高くても人が来るという状態を作ることができました。
お客様の絞り込みを「どういう人」「どんな年齢」ということでよくやりますが、
そこに加えてTPOまで練り込んだコンセプトを作るとけっこう「オンリーワン」になれます。
見つけてさえもらえれば来てもらえる確率が高くなります。
これは私の実体験からです。
だから、ご自身の教室の場合でそれができそうかどうか、
どういう価値が加わるとそういうふうに見せられるのか、
そういうことを考えていただければ教室の雰囲気もまたかわるのではないかと思います。
ぜひ、ご参考になさってください。
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