"選ぶ”というお客様のストレスを理解する~講座をたくさん持っている先生の落とし穴~【パン・お菓子・料理教室 開業・集客講座|横浜東京】

マーケティング

こんにちは。

高橋貴子です。

 

最近数人の先生のコンサルティングをしていて「ある共通の特徴」に気づいたので

こちらでみなさんにお伝えしようと思いブログを書いています。

 

本日のテーマは

 

「”選ぶ”というお客様のストレスを理解する~講座をたくさん持っている先生の落とし穴~」

 

です。

 


教室運営を長く続けていると、

性格が良くてやさしくて技術がある先生には長く通ってくださる生徒様がつきます。

もちろん、リピートする生徒様を大切にすることはとても大事なことだと理解しています。

 

ただ、それと同時に教室も人の体と同様に「新陳代謝」を行わなくては

だんだん「老化」していきます。(苦笑)

 

「老化」。。。。 コワイ言葉ですね(苦笑)

 

教室は人間ではないので、老化で即、

骨折したり、歩けなくなったりという身体症状が見えることはありません。

ただ、静かに緩やかに生徒様が減っていくという、「老化現象」が進行します。

 

これは、時代の流れと業界内での自分のポジショニングの相対評価で位置が変わるという

変化についていけてない場合が原因としてありえます。

 

長年、満席が続く教室は伝統は守りつつ、

革新と改変を行って維持し続けているという現実がある中で

もしも何もしていない場合には、時代の流れのなかで衰退していきます。

 

だから、ネット集客が苦手だからと言って、まったくそちら方面をやらなければ

時代の流れはスマホとネットなので、、、

当然生徒様は見つけにくい=来なくなるということになります。

 

 

さて、そんな中で教室の新陳代謝を考えた場合には

新規の生徒さまも受け入れつつ運営していくことは必須の項目になってきます。

 

その中でネックになるのは、

 

「デパート型レッスンメニュー」です。

 

デパート型というのはどういうものかというと、

とにかく自分が持っている(もしくはやりたいメニュー&スキル)をすべてお披露目するレッスン方式です。

 

具体的に言うと

 

「パン・お菓子・おもてなし料理・アイシングクッキー・ポーセラーツ みんなできます!!」

 

みたいな教室のことです。(苦笑)

 

——もしかして、ここまで読んだ瞬間に

耳が痛くてこれ以上先を読みたくなくなった先生もいるかもしれません。(苦笑)

 

それでも、勇気を持って読んでみる!!と決意した方だけ先を読み進めてみてください。

 

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上記教室は、昔は良かったと思います。

生徒様にとってもメリットは大きかった。

なぜなら1ヶ所でおおよそ自分が習いたいことを大好きな先生が教えてくれるなら

ずっと通い続ける理由になるからです。

 

でも今は時代が変わりました。

 

まず教室数が増えました。

おそらくここ5年ぐらいでも自宅教室の開業は昔の伸び率の2倍から3倍ぐらいの勢いで

新しい教室が増え続けています。

そして、同時にすごい確率で廃業する方も増えてきてたりもするのですが、、(今日はこの話は割愛します)

 

ということは、単純に昔からやっている教室の先生も

新しく参入してくる先生と比較されることになります。

 

しかも、時代はネット社会です。

簡単にほしい情報が手に入るご時世です。

 

・バリッバリの表皮でかっこいいクープが入ったフランスパンをめっちゃ上手に焼きたい!!

・お店で食べるような見た目もきれいなケーキが作りたい!(でも自分はそんなに食べないw)

・今流行の見た目にきれいでおしゃれなアロマソープやハーバリウムを作ってみたい

 

とか、生徒さんの要望も実にさまざまで且つマニアックになってきてたりしています。

 

もちろん、昔ながらに、

 

・パンを作ったことないから、まずはパン作りを覚えたい

・お料理なんて自分できちんと習ったことないから一から覚えたい

 

というシンプルな希望を持っている方も一定数います。

 

でも、こういう方が、個人教室を探してたどり着くよりも前に

大手のPR攻撃をうけて(笑) 普通に有名な大手教室に通う確率も高かったりします。

 

さて、ではこの大手の教室の攻撃をうまくかわし、

運よくあなたの教室たどり着いたとしましょう。

もちろん、生徒さんは「何かしらの目的を持って教室に通いたい意思」があるとします。

 

このときにたどり着いた教室のホームページが

上記のようなデパート型のレッスンメニューが記載されていた場合

その方はどういう風に思うとおもいますか?

 

昔は「この先生は何でもできるからすごい!」と予約が入ったかもしれません。

でも、今はどういう風に思われるかというと、、、

 

「どれもこれもやっているということは、一つ一つはそんなに深く知識を持っていない先生」

(もしくは片手間にすべてのものをこなしている先生)

 

に見える確率が高くなっているのです。

 

生徒さんは「自分の知識欲を満たす」教室を探しているケースが多いとすると

何でもかんでもサイトに載せる事によって、

かえって集客の決定率=成約率を下げている場合もある

ことを理解したほうがいいかもしれません。

 

これ、最近の傾向です。

 

「デパートよりも専門店が好まれる」

 

あ、でもまた時流が変わればデパートが好まれる時代も繰るかもしれませんね。

 

だから、まずひとつの要因として

「他業種スキルの選択肢が多いとかえって専門性が薄れて決まりにくくなる」ケース

についてお話しました。

 

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そして、さらに最近の傾向としてもうひとつあるのが、

業種は特化していても(パンとかお菓子とかお料理とか)

やたらコースやメニューが多い教室も同様の現象が起きています。

 

私はコンサルティングの初期段階においては

先生がどういう方向で教室をつくっていきたいかをヒアリングします。

 

もちろん、稼ぎたい額でのお話をするケースもありますが、

ご本人が「こういう生徒さんとこういう教室をつくりたい」と願うなら

必ずしも収益ばかりを目指す提案をしないこともあります。

 

その際、一番多いのが

 

「忙しくてぜんぜん時間がなくて、働きづめなのにぜんぜんお金が残りません」

 

というタイプの先生。

 

このタイプの先生に共通しているのが、

 

「自分で自分の首を絞めている=たくさんの講座を作りすぎている」

 

ケースが多いという傾向が最近わかりました。

 

みなさんがご存知でしょうか?

アップルが低迷したときに一度は追放したCEO スティーブジョブズを呼び戻したときに

彼が行った施策を。

当時、40品目ほどあった製品を4つにまで絞り込んで業績を回復させるという荒療治をしました。

それぐらい人気商品と会社らしさがある商品だけに絞り込むことで

顧客に選ばれる成果を勝ち得たのです。

 

これ、教室も同様なんです。

 

優しい先生は生徒さんが望むままにどんどん講座を増やしていきます。

もちろん望んだ生徒さんは自分の望みがかなったので通い続けます。

 

そういう形でどんどん講座が乱立してふえて

リピーターの生徒さんは喜んでいるかもしれませんが

先生はどんどん非効率になり、疲弊していきます。

 

要望にこたえるだけのレッスンメニュー作りはある意味楽なんです。

そこに要望があるので応えれば予約が入りますから。

 

でも、そこを敢えて、

「この講座は新しくつくることで何人の新規の生徒さんも喜んでくれるだろうか?」

と考えた上で講座を作るかやめるかの決断をする勇気が必要になるときもあります。

 

これを毎回考えないでやり続けると当然時間はなくなりますし、収益も悪化します。

 

そして、新規の生徒様の目線で考えると、

こういう形でシステムが複雑になった教室のレッスンメニューは単純に、、、

 

「申し込みにくい」(苦笑)

 

結果として、自分で新規の生徒さんを寄せ付けない施策を

行ってしまっているケースが多いのです。

 

現代は情報がとても多いのです。

 

だから

 

「選べる喜び」よりも

「選択することを考えるストレス」を回避したい人が増えているのです。

 

シンプルに、

 

「あなたはこれがいいですよ!!!」

 

って言われたほうが考えなくてよくてスパッと決まるのでストレスが少ないのです。

 

ただでさえ、教室そのもののが増えていて、選択肢が多いので

そこへきて、やっとたどり着いたちょっとよさそうかなと思う教室の

メニューやシステムが複雑だと、それだけで思考するのを拒否してしまいます。

 

だから、なるべく新規の方にもシンプルでわかりやすいメニュー提示をする必要があります。

 

もちろん、リピーターの人も満足させないといけないので

その企画に必死に頭をひねり

最大公約数で且つ最大限効果と成果がでるメニューを考えるのです。

 

これをやっているかやってないかで、教室の収益は大きく変わりますよ。

 

だから、

 

「メニューがたくさん並んでいるのは必ずしも生徒さんが喜んでいるわけでない」

「選ぶストレスを軽減する親切さを持とう」

 

という2点を知ってメニューや教室コンセプト作りに活かしていただきたいと思います。

 

 

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